石津会計事務所のなるほど税制メモ「110万円の壁について」~社内報第16号より

表題の数字を見られた皆様は、“103万円の壁,,の間違いではないかと思われたと思います。いわゆる配偶者が就業時間を調整することによってご主人本人に配偶者控除が適用される103万円以内にパート収入を抑える“103万円の壁,,のことではないかと。

私が本題で提案した“110万円の壁,,とは、実は一般的に親子間など身内の中で現金等の財産の贈与が行われた場合に課税されない限度額が110万円ということです。

ところが前述した“103万円の壁,,と異なり、この“110万円の壁,,は絶対的なものでは有りません。

いくつか具体例を挙げてみますと、①贈与の日において婚姻期間が20年以上である配偶者から居住用の不動産や不動産を取得する金銭を受けても2,000万円分までは課税されないということ。 ②平成33年12月31日までの間に20歳以上の者(但し、所得金額が2,000万円以下)が直系尊属(両親祖父母等)から一定の新築等を行うため住宅取得等の資金の贈与を受けた場合は、年によって差異はありますが1,000万円前後の課税が控除されるということ。 ③平成31年3月31日までの間、30歳未満の者が直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合、条件は有りますが1,500万円まで贈与税が非課税となるということ。④同じく平成31年3月31日までの間、20歳以上50歳未満の者が直系尊属から贈与を受ける場合、一定の条件を確保する必要が有りますが、1,000万円まで贈与税の非課税措置があるということ等、贈与における110万円の壁の高さが上下する訳であります(但し、③④については条件が細かく設定されていますので、慎重に対処する必要が有ります。)。

最後に、前述した“103万円の壁,,については平成29年度税制改正により、配偶者控除・配偶者特別控除が見直され、所得控除額38万円の対象となる配偶者の年間給与収入の上限が150万円(改正前103万円)に引き上げられ、これに伴い配偶者特別控除の適用される範囲が年間給与収入201万円に拡大されました。その一方で、配偶者控除に納税者本人の所得制限が導入されました。(表Ⓐ参照)

税制は毎年目まぐるしく変わりますが、この提案が皆様の一助となりますことを願っております。

 

税理士  石津 良行